目指す先は標高800メートル、いざ山へ!
高知家プレミアム旅行券を入手したのは、今から数ヶ月前のこと。
レンタカーの料金にも使えるスペシャルなキャンペーン。
「今、行かずにいつ行く!今、高知で焼かずにいつ焼く!」
と、心がメラメラと燃えたのです。
ということで、朝一番の羽田便に身体を預けて、到着したのは高知龍馬空港。
途中、日曜市や道の駅に寄り道しつつ、北東に向けて進路を取れば、
フロントガラスに流れる景色は、深い緑色に染まっていきます。
清らかな川が流れる山間の道を走っていると、
途中、車のすれ違いが難しくなるほどの道幅になりますが、
雄大な棚田の姿を見れば、そんな疲れも一気に吹き飛んじゃいます。
こうして辿り着いたのは、標高1400メートルの梶が森。
天文台や龍王の滝があったりと、自然を堪能するにはこの上ないスポットです。
旅焼きをする時、いつもアウトドアで焼く姿をイメージするのですが、
やっぱり採れたて野菜を筆頭に地の食材を挟みたくなるもの。
そんな条件を満たしてくれるスポットはないだろうか…と、調べていると、
パソコンの画面に現れたのは「農家民宿レーベン」の文字でした。
理想的だなぁ…と思っていたその場所が、山頂に向かう細い道の先に見えてきました。
中腹ほどの標高800メートルで車のドアを開ければ、まずは涼しく心地よい空気がお出迎え。
そして、天井の高いログハウスに入れば、熊の皮も出迎えてくれました。
ジャージー牛と土佐あか牛のおもてなし、そして満天の星空。
まずは、ここのオーナーの渡辺さんから、温かなジャージー牛の恵みのプレゼント。
長いドライブで疲れた身体を甘くまろやかなコクで癒やしつつ、しばしの休憩を取ることに。
空が少しずつオレンジ色に染まりだしたのを合図に、夕食のバーベキューの始まりです。
主役はレーベンの方が収穫された新鮮な野菜と、土佐あか牛のお肉。
この上なく瑞々しい野菜と、切れ味ある脂のコクと赤身の旨みを前に、箸が止まりません!
数ヶ月熟成された手作りチーズ&クラッカーもいただけば、お酒のせいもあって心地よさは最高潮。
満腹になった身体を、薪ストーブですっかり温かくなったリビングのソファーに預ければ、何かをしようだなんていう気も起こりません。
ゴロゴロ…ゴロゴロと、丸太に囲まれた空間で横になるだけの贅沢な時間を過ごします。
でも、これだけは忘れちゃいけません。昆虫のオーケストラの演奏をBGMに、満点の星空を見上げること。明日、ナイスなホットサンドをバウルーで焼けるといいなぁ…と願いつつ、おやすみなさい。
さぁ、ご当地焼き!新鮮な食材とご当地パンが欠かせません。
翌朝、テラスに出てみると、眼下に広がっていたのは雲海でした。
こんなに素敵な目覚めは初めてです。
さぁ、ここからはバウルータイム!
主役はレーベンさんに準備してもらった、新鮮なトマトとイタリアンパセリにバジルの葉。
そしてここに来る前に仕入れた、高知市内にあるパン屋さん・プウセの食パン。
やっぱり、ご当地焼きにはご当地のパンが欠かせません。
今朝のメニューは2種類。
まずは、刻んだイタリアンパセリとコンビーフを混ぜあわせて、フィリングづくりから。
パンの上にたっぷり塗って、軽く炒めたパプリカを重ねたら一つ目のサンドは準備OK。
もうひとつは、チーズ、トマト、バジルの葉の順に重ねたところに、仕上げのチーズを1枚追加!
あとは、バウルーの中に収めて蓋を閉めたら準備完了。
レーベンの渡辺さんは、この日がバウルーデビュー。
予約の際にお願いした時から、心待ちにされていたそうです!
さぁ、あとはキツネ色になるまで焼くだけ。出来上がりまでの4分が待ちきれません。
焼き立てアツアツを、みんなで頬張る醍醐味たるや!
ということで、焼き立てアツアツのホットサンドが2種類できあがり!
ジャージー牛のミルクたっぷりのカフェオレと共に、
みんなでテーブルを囲んでいただきます。
ハリのあるパンに包まれた、新鮮なトマトの酸味にパプリカの甘さ。
そしてイタリアンパセリやバジルの爽快感。
やっぱり、採れたて野菜を挟むのが旅焼きの醍醐味。
初めて、バウルーのホットサンドを食べた渡辺さんも、
普段から食べ慣れている野菜の、新たな美味しさに驚かれていました。
食パンが2袋分だったので食べきれるかなぁ…と少しだけ心配だったのですが、
あっと言う間にお腹の中へ。
ふと、テラスの先にある景色を見れば、雲海の姿も消えていました。
でも、この瞬間の思い出が消えることはありません。
とにかく、旅焼きは楽しいんです。
旅先ならではの食材に出会って、一口目の感動が共有された瞬間の喜びは、何物にも変えられません。
バウルー片手に旅すれば、そんな楽しさが待っています!